コラム

賃貸を片づけると相続放棄ができなくなる!?遺品整理についても解説

2023.02.07

賃貸を片づけると相続放棄ができなくなる!?遺品整理についても解説

賃貸を片づけると相続放棄ができなくなる!?遺品整理についても解説

身内が亡くなった際、賃貸物件の引き渡しは基本的に親族が行います。

しかし故人が借金を抱えていた場合、財産に手をつけていなくても、賃貸物件の片づけを行うことで相続放棄ができなくなってしまう可能性があります。

そこで今回は、なぜ賃貸物件の片づけを行うと相続放棄ができなくなるのか、故人が借りていた賃貸物件を相続放棄した上で片づけるにはどうすれば良いか解説します。

原則、相続放棄をすると家の片づけをすることはできない

原則、相続放棄をすると家の片づけをすることはできない

相続放棄を考えているなら賃貸の片づけは行わない方が良いでしょう。

故人が生前賃貸物件に住んでいた場合、身内の遺品の片づけを大家さんや不動産会社にやってもらうのは気が引けると思って片づけをしてしまう人は少なくありませんが、これによって相続放棄ができなくなる可能性があります。

それでは、どうして相続放棄を考えているなら故人の賃貸物件の片付けはしない方が良いのか、その理由を解説していきます。

片づけをすると相続する意思があると判断される恐れがある

家の中のものを取り壊したり、処分したりする片づけをすると相続する意思があるとみなされる可能性があります。

「相続」と言われると故人の財産を受け取ったり、生前愛用していたものをもらったりすることだけだと思ってしまいがちです。しかしこれだけでなく、故人の財産などを処分する行為も相続に当てはまります。

ちなみに賃貸の場合片づけの対象となるのはものだけではありません。公共料金などサービスの解約も同様で、相続の意思があると判断される恐れがあるので、何も手を付けないのが無難でしょう。

相続放棄をしても管理義務は残る

万が一相続放棄を行ったとしても、故人が契約していた賃貸などの管理義務は残ります

そのため、相続人が自分一人だけで他に相続人がいないなら自分が行う必要がありますし、自分以外にも相続人がいるなら相続放棄した場合他の相続人に管理義務が移行します。

しかし管理義務を全うして家財などを処分してしまうと、万が一故人が借金を抱えていた場合これも相続しなければいけなくなってしまいます。

責任を回避するには、代理人を立てる必要があります。この代理人については後ほど詳しく解説します。

相続放棄をするけど賃貸の片づけをしたい時はどうすればいい?

相続放棄をするけど賃貸の片づけをしたい時はどうすればいい?

それでは、相続放棄をするけれども管理義務を全うして賃貸の片づけたいをしたいと思っている場合、どのように対処するのが良いのでしょうか。

対処法を紹介します。

資産価値のないものは形見分けとして認められる

まず故人の家財などに関して、資産価値がないと判断されたものは形見分けとして認められ相続の対象にはなりません。
ただし素人が資産価値があるかどうかを判断するのは難しいので、弁護士などに同席してもらって行うのが良いでしょう。

ゴミ屋敷など片付けが必須の場合はプロに依頼する

故人の賃貸物件で管理がまともに行われておらず、ゴミ屋敷状態になっている場合はゴミ屋敷の片づけを専門に取り扱っているプロの業者に依頼しましょう。

長期間ゴミ屋敷状態だと、ごみ袋に入っていた食べ物や飲み物がこぼれて壁や床に通常の洗剤では落ちない汚れやカビが発生していることも少なくありません。

引き渡し時に大家から損害賠償請求されないためにも、プロにきれいな状態に片づけてもらうのが良いでしょう。

「相続財産管理人」を選任する

相続財産管理人を選任することで、管理責任を逃れることができます。

相続する権利を持つ人がみんな相続放棄をしてしまった場合の最後の1人や、相続人が1人しかいなかった場合、相続放棄ができません。

そこでこのような立場の人たちが相続財産管理人を選任することで、借金など負の財産を相続しなければいけない状況から逃れられます

相続財産管理人とは

相続財産管理人とは

賃貸の片づけなど、故人の負の財産の管理義務から逃れたい場合は、相続財産管理人を立てるのが良いでしょう。

それでは、相続財産管理人の手続き方法や、相続財産管理人を選任した方が良いケースについて解説します。

相続財産管理人を選任した方がいいケース

相続財産管理人を選任した方が良いケースは、故人の財産が把握しきれない場合や、借金・滞納を抱えていて故人の財産では支払いきれない場合です。

借金がある場合だけでなくあるかどうかわからない場合も含めて、相続を行うと故人の借金を遺族が引き継がなければいけなくなってしまいます。

法改正が施行されるまでは、相続放棄できずに最後に残ってしまった人が財産の管理を行うこととなりますが、これが原因で親族間でトラブルが起こることも少なくありません。


そのため、負の財産がある場合は親族間で話し合ってなるべく早めに相続財産管理人を立てておくのが良いでしょう。

選任する手順

相続財産管理人を選任する手順は、まず誰が相続財産管理人になるかを決めるところから始めます。

相続権のない親族を立てることもできますが、トラブルを避ける目的で弁護士などに依頼するのが一般的です。

誰が相続財産管理人になるか決まったら裁判所にて手続きを行います。

裁判所に申立書の書式があるため、必要事項を記入し、故人の戸籍謄本や相続放棄して相続財産管理人を立てたいと思っている人物と故人の関係がわかる戸籍謄本など必要書類を用意し、手続きを行いましょう。

選任するのに必要な費用

相続財産管理人を立てれば相続放棄ができるというわけではありません。
相続財産管理人には財産を処分するために必要なお金を支払う必要があります。

弁護士などに相続財産管理人を依頼した場合は依頼費用も含めて20万円〜100万円程度が相場と言われています。

処分したい財産の金額などに応じて変動するため、事前に見積もりを出してもらいましょう。

むやみに片づけずにプロに依頼しよう

親族が亡くなった際に賃貸の片づけを行ってしまうと相続の意思があるとみなされ、相続放棄できなくなる可能性があります。

故人の借金を相続しないためには、故人の財産をなるべく早く把握し、賃貸の片づけなどはプロに代行してもらうのが無難でしょう。

万が一、自身が相続人になってしまった場合は、いち早く相続財産管理人を立てて相続関連の手続きを代行してもらいましょう。

分からないことや、不安があれば弁護士などの専門家へ相談してみてください。

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