コラム

遺産相続はもめる!原因やもめる金額のラインは?

2021.12.03

遺産相続はもめる!原因やもめる金額のラインは?

遺産相続はもめる!原因やもめる金額のラインは?

こんにちは。船橋・習志野台法律事務所です。

遺産相続がきっかけで家族・親族間に亀裂が入ることはよくある話です。自分たちは大丈夫と思っていても、いざ実際に遺産相続を行う場面になってみたらもめてしまうケースも少なくありません。

そこで、遺産相続でもめてしまう原因にはどんなものが考えられるのでしょうか。遺産相続トラブルが起こる原因や、相続トラブルが起こる遺産の金額のラインについて解説します。

遺産相続トラブルは誰にでも起こりうる

遺産相続トラブルは誰にでも起こりうる

遺産相続トラブルはは親族同士の仲が良かったり、分ける金額が少なかったりして自分たちでもめないと思っていてももめることがあります。

実際に人口動態統計月報年計によると、2020年の死亡者数は1,372,648人(参考データ:厚生労働省|令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況)。また、家庭裁判所で2020年に取り扱った遺産相続事件数は11,303件でした(参考データ:遺産分割事件数)。

これらの数字から、全体の約0.8%、120人に1件の割合で遺産相続トラブルが起こっているとわかります。したがって、遺産相続は遺言書があったとしても、相続を行う側はもめる前提で遺産相続の準備を進めた方が良いでしょう。

遺産相続でもめる金額は5,000万円以下

遺産相続でもめる金額は5,000万円以下

遺産相続でもめる金額のラインは5,000万円以下です。

家庭裁判所のデータ(https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/288/012288.pdf)によると、2020年の遺産相続トラブルのうち、調停成立や審判言い渡しになったものは合計5807件でした。うち1,000万円以下の割合が2,017件、5,000万円以下が2,492件で、5,000万円以下のトラブルがほとんどを占めています。5,000万円超から1億円以下のラインになった途端に655件と急激に数が減っており、5,000万円以下までのラインだとトラブルになりやすいと言えます。

資産が1億円以上の人を富裕層、5,000万円〜1億円ラインの層を準富裕層、3,000万円〜5,000万円の層をアッパーマス層、3,000万円以下の層をマス層と呼びます。資産が5,000万円以下のラインに当てはまるのはアッパーマス層・マス層でしょう。

アッパーマス層とは一般的なサラリーマンのような中間層にあたります。中間層だと老後の貯蓄を意識していても、遺産相続まで意識している人は限られています。それに対して準富裕層ラインは、遺産相続に備えて生前贈与を進めている人が多いです。準富裕層に当てはまるのは士業や医師、大企業勤務などの職業層が中心。親も準富裕層以上という家庭で育っている人が多く、しかも親族全体が準富裕層以上の家庭で資産に余裕があるケースが多いです。

このように事前に生前贈与を行って遺産相続する資産を最小限にしている、相続される側もある程度お金に余裕があるといった理由で、資産が5,000万円以上のラインに入った途端に遺産相続トラブルの数が急激に減ると考えられます。

遺産相続でもめる原因

遺産相続でもめる原因

遺産相続でもめる原因は様々です。決して家庭環境が良かったから遺産相続も円満に終えられるとは限りません。それでは、遺産相続でトラブルが起こる原因について見ていきましょう。

不動産などわけにくい財産がある

現金なら人数分で分ければ問題ありませんが、不動産などの場合評価額が人によって異なります。不動産をどれくらいの金額で評価するかで意見が合わないことは多いです。それに、不動産を現金化せずに分割した場合、うち一人が亡くなったときの相続の場面などで不便でしょう。加えて、不動産でも特に家を1人が相続して住み続けると代償金が発生するケースがあります。しかし、相続する人に代償金を支払う経済力がないというケースも少なくありません。このように分けにくい財産はトラブルの元となりやすいです。

相続関係が複雑

兄弟間の仲が悪い、故人が再婚(後妻がいる場合)したり、その子がいたなどの理由で相続関係が複雑になってしまうこともあります。また、兄弟間の仲が悪い、故人と非相続者の仲が悪かったなどといったケースでは、相続権はあるものの、本来の比率で遺産を分割することに反論する遺族が出てくることも想定されます。

遺言書がある

遺言書は遺産相続をスムーズに進めるためのものでもありますが、遺言書が原因となってトラブルになるケースも少なくありません。例としては1人だけ相続分が多い、故人が本来相続権が無い人に相続することを望んでいるなどといった場合が挙げられるでしょう。

故人の介護・同居をしていた

被相続人のうち1人だけが故人の介護をしたり、同居をして普段から世話をしていたりする場合、「自分が故人の面倒を見ていたから遺産を多く受け取っても良いのでは」と思う人は多いです。多くのケースはやはり同居・介護していた人への配慮として遺産を多めに配分しますが、それに納得せず、全員平等に分けるべきと主張する人もいます。

また、故人と同居していた場合故人の財産の使い込みを疑ってトラブルになるケースも少なくありません。実際に同居中に生活費の援助を受けているケースもあるので、この場合は故人からいくら受け取ったか記録するなど対策が必要でしょう。

【まとめ】遺産相続はトラブルが起こることを想定するのが大事!

遺産相続トラブルは思いの外高い割合で発生しています。

意外にも富裕層よりも一般家庭の方が相続トラブルを起こしやすいというデータもあり、遺産相続トラブルはいつ自分の身に起こってもおかしくありません。遺産相続時のトラブルを防止するにはとにかく事前の話し合いが大切です。

お金の話は下品と思うかもしれませんが、親などが亡くなる前に親族間で遺産について話し合う機会を設けてみてはいかがでしょうか。

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