相談事例

弁護⼠に初めて依頼される⽅はどのような流れで話し合いがすすんでいくのか、どのくらいの期間がかかりどれだけお⾦がかかるのか、わからないかと思います。
本ページではよくご相談を頂く事例をもとに、対応⽅法・結果をまとめました。ぜひ、ご依頼をご検討ください。

Q1. 父、母、それぞれの名義の財産の構成がほとんどわかりません

対応完了期間:両親の死亡から6ヶ月
かかった費用:66万円

対応方法
まず、両親に届く郵便物から金融機関や証券会社のものがあればそれが手掛かりになります。あとは両親の自宅近くの金融機関に照会をかける方法もあります。金融機関の照会は店舗への訪問が必要なこともあり、日中仕事をしている子らに代わって弁護士が依頼を受けて金融機関の調査をすることもできます。遺産が判明すれば、それに沿って適切な遺産分割の案も提示できます。

結果
対応完了までにかかった期間:両親の死亡から6ヶ月
ご依頼者様にかかった費⽤:遺産3000万円に対する1.5%+税と法定相続人3名×5.5万円の66万円

父母それぞれが3つの金融機関に預金を持っていることが判明し、預金の取引履歴から一つの証券会社に口座を持っていることが判明しました。これらの相続手続を弁護士が代行して、遺産をいったん弁護士の預かり金口座へ入金してから、平等に各相続人へ送金して、手続が完了しました。

Q2. 遺産分割に必要な書類のやり取りや、遺産の分配をどうしたらいいかわかりません

対応完了期間:夫の死亡から3ヶ月
かかった費用:44万円

夫を亡くした妻からの相談です。この夫婦には子どもがなく、夫の兄弟姉妹やその子ら合計8人が相続人となります。しかし、これらの相続人のうち夫の葬式でも会えなかった疎遠な人もいて、遺産分割に必要な書類のやり取りや、遺産の分配をどうしたらいいかわかりません。まずどこから、着手すればいいでしょうか?
対応方法
夫の兄弟姉妹が相続人となる場合、夫やその両親が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本を入手しなければなりません。また、各相続人の戸籍謄本や印鑑登録証明書も必要になります。疎遠になっている相続人からこれらの書類を集めるのは困難であり、弁護士が介入することでスムーズに必要な書類を集めることができます。また、兄弟姉妹の法定相続分は4分の1で配偶者は残りの4分の3になります。その他、遺産の構成(預金が多いのとか、土地の価値など)を踏まえて適切な遺産の分配割合を弁護士が考えて提示することができ、話し合いを進めることができます。

結果
対応完了までにかかった期間:夫の死亡から3ヶ月
ご依頼者様にかかった費⽤:遺産1000万円に対する1.5%+税と法定相続人5名×5.5万円の44万円

弁護士に依頼することで、必要な戸籍20通ほどの収集をすべて任せることができました。また、兄弟に対しては、各自に対して○万円の金銭支払いを提示することで、印鑑登録証明書等の必要書類を相続人全員からもらうことができました。その結果、妻自身は書類のやり取り等をすることなく、夫の遺産の多くの分配を受けられる遺産分割協議を実現できました。

Q3. 自分の遺産を長年通っていた教会に寄付したい

対応完了期間:4ヶ⽉
かかった費用:遺産総額に対する1%+税(但し最低10万円)

自分の遺産を長年通っていた教会に寄付したいと思っています。また、教会への寄付について子どもたちからの反発はないでしょうか?
対応方法
通っている教会が宗教法人であれば、その法人へ遺産を渡す旨の遺言書を作成することで寄付を実現できます。教会が法人でない場合には、教会の主要な役員などに遺産を託して教会のために使ってもらうよう指示すること(これを信託といいます)もできます。ただ、子どもには遺留分がありますので、遺産の全てを寄付する遺言書を書いても、子どもから遺留分の請求をされると、寄付した遺産の一部は子どもたちへ戻されることになります。

結果
対応完了までにかかった期間:4ヶ⽉
ご依頼者様にかかった費⽤:遺産総額に対する1%+税(但し最低10万円)

教会については宗教法人であることが分かったので、この宗教法人へ遺産のうち100万円を寄付して、残りは子らへ等分に分配する形で遺言書を作成しました。公正証書遺言にしたのですが、公証役場とのやり取りもすべて弁護士に任せられました。教会へ寄付しつつも子供たちへも配慮でき、安心しました。

Q4. 死亡した父親に税金の滞納があり、市役所から相続人である私に支払い義務があるという通知書が届きました

対応完了期間:3ヶ月
かかった費用:3.3万円+実費

幼少期に両親が離婚して私は母に引き取られたため、父とは長年交流がありませんでした。ところが、突然、市役所から父親に税金の滞納がありその父は3ヶ月前に死亡したので相続人の私に支払い義務があるとする通知書が届きました。私自身は全く身に覚えのない税金を支払わなければならないのでしょうか?
対応方法
ご両親の離婚に伴い交流がなかったとしても、父の相続人であることに変わりなく借金があればその返済義務を引き継ぐことになります。この引継ぎを回避できるのが相続放棄です。税金を滞納するくらいであればプラスの財産はほぼないので、相続放棄以外の選択はない旨、助言しました。そして、相続放棄の手続の代理を依頼して頂きました。

結果
対応完了までにかかった期間:3ヶ月
ご依頼者様にかかった費⽤:3.3万円+実費

依頼者からは幣事務所ウェブサイトのフォームを通じて個人情報(氏名、住所、生年月日、本籍地)を教えて頂き、幣事務所から送った委任状にご署名押印のうえご返送頂き、あとは全て幣事務所で手続を行い、相続放棄が家庭裁判所で受理され、借金を引き継がないですみました。

Q5. 音信不通だった妹から「両親の自宅を売って売却代金を分配したい」と連絡がきた

対応完了期間:2年6ヶ月
かかった費用:着手金33万円+成功報酬(自宅の不動産価額の5%+税)

私の両親はそれぞれ認知症と癌になったため、15年前から夫と子ども3人とともに両親の自宅へ転居して、私が介護をし続けました。そして、3年前に母が、今年になり父が亡くなりました。両親の遺産は自宅だけだったのでこれまで介護をしてきた私がそのまま住み続ければよいと思い何もしませんでした。ところが、この15年間、音信不通だった妹から突然、遺産分割の調停を申し立てられました。申立書には両親の自宅を売って売却代金を分配したいと書いてありますが、私は家を出て行かなければならないのでしょうか?

対応方法
相続人はお姉さんと妹の2人だけとのことなので、法定相続分は2分の1ずつになり、自宅に住み続ける場合には、家の価値の半分を現金で妹に支払うのが原則です。ただ、ご両親の介護をずっと続けていたということなので、その介護によりご両親が老人ホーム等へ入所しないですみ施設利用料などの介護費用が節約できたといえれば、その節約分を遺産への貢献とみなして、法定相続分を修正できる可能性があります。なので、調停で介護の主張をすることが重要であり、弁護士を代理人として介護の主張立証を尽くすことにしました。

結果
対応完了までにかかった期間:2年6ヶ月
ご依頼者様にかかった費⽤:着手金33万円+成功報酬(自宅の不動産価額の5%+税)

母親については入院や通院の履歴が長く医療機関から10年分のカルテの取り寄せができたため、依頼者による介護の必要性を立証でき、法定相続分2分の1からの修正が裁判所に認められました。そのため、自宅の不動産価額の2分の1から減額された金額を妹に支払うことで自宅を単独取得できました。介護の立証には、多量に渡る医療記録の分析が必要なため、弁護士への依頼は必須といえます。

Q6. 父の希望に沿った遺産分割をしたい

対応完了期間:父の死亡後から3ヶ⽉
かかった費用:22万円+公証役場に支払う手数料5.5万円

5人兄弟のうち、父と同居していた長男が先に亡くなり、長男が亡くなったとたんに、長男の嫁が子どもを連れて家を出て行ってしまいました。父はこれに激怒して、長男の子供たち(孫)には遺産を渡したくないと、度々、長女に話しています。長女としては相続の段階で父の希望に沿った遺産分割をしたいと思っていますが、長男の子供たち(孫)の意向を無視してそのようなことができるでしょうか?
対応方法
父が遺言書を作成し、その内容を長男の子供たち(孫)以外の相続人にすべての遺産を分配して長男の子供たち(孫)の取り分をなしにする形にする事が考えられます。もっとも、長男の子供たち(孫)には遺留分といって法律上、最低限確保すべき遺産に対する権利があります。そのため、長男の子供たち(孫)に全く遺産を取得させないことを実現するのは容易でありません。ただ、今回の相談事例では、長男は父と同居していたので、例えば、長男名義の自宅購入の際に父が資金援助しているのならば、そのことを遺言書に記載して遺留分の割合を減らすことができそうです。

結果
対応完了までにかかった期間:父の死亡後から3ヶ⽉
ご依頼者様にかかった費⽤:22万円+公証役場に支払う手数料5.5万円

長男の子供たち(孫)にも遺留分があるので、そこに配慮して、長男の子供たち(孫)3名には一人50万円ずつ遺産を渡して、その他の遺産は生き残った兄弟だけに分配する内容の遺言書を作成しました。父の死亡後、長男の子供たち(孫)は遺言書の内容に驚いていましたが、遺言書の内容を覆すのは困難と判断し、父の死亡後3か月で遺言書の内容に沿った遺産分割が実現しました。仮に、遺言書がなければ、遺産の分配をめぐって生き残った子らと長男の子供たち(孫)との対立が激化して遺産分割が成立するまでに1年以上かかることも想定されました。事前に遺言書を作成したことで、大きな紛争にならずにすみました。

Q7. 相続人の一部と連絡が取れない

対応完了期間:5ヶ月
かかった費用:着手金22万円+(成功報酬10%+税)

生涯独身の叔母がなくなり、叔母は末っ子で兄弟は全員なくなっており、相続人は私を含む、甥と姪の合計7人になります。預金が約3000万円くらいあって、7人で等分にわけようと思っているのですが、亡くなった叔母の一番下の妹の子どもと連絡が取れません。そのため、銀行の払い戻しに必要な印鑑が揃わなくて、1円も引き出せない状態が半年も続いています。どうすれば、叔母の預金を払い戻しできますか?
対応方法
相続人の一部と連絡が取れない時、または、遺産分割協議(遺産分配の話し合い)に応じない場合には家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てて、裁判所を通して分配方法を決めることができると提案しました。仮に、その一人が欠席しても、審判という形で裁判官が遺産の分配方法を決定できるので、調停申立の依頼受けました。

結果
対応完了までにかかった期間:5か月
ご依頼者様にかかった費⽤:着手金22万円+(成功報酬10%+税)

連絡が取れなかった一番下の妹の子は、調停には出席して、裁判所での話し合いの結果、預金を等分して分配する遺産分割の調停が成立しました。相続人同士だけでは、全く連絡が取れず時間だけが過ぎても、弁護士に依頼して調停を申し立てれば、放っておくわけにはいかないと感じて出席してくることが多いです。そうすれば、それまで止まっていた話し合いがすすんで適切な遺産分割を実現できます。

Q8. 兄が所有していた区分所有マンションの相続放棄をしたい

対応完了期間:4ヶ⽉
かかった費用:5.5万円+実費

兄が亡くなり、兄が所有していた区分所有マンションの管理組合から、管理費の請求が私たち兄弟のところに来ました。兄は独身で子どもがいなかったので、残された兄弟3人が相続人ということになります。兄弟誰も兄の区分所有マンションを相続したくないし兄には貯金もなかったので相続放棄をしたいです。また、相続放棄後に区分所有マンションはどうなるのでしょうか?
対応方法
兄弟姉妹からの相続放棄の場合は、相続関係の証明のために、亡くなった兄の出生から亡くなるまでの戸籍謄本を全て取り寄せる必要があります。戸籍の取り寄せに手間がかかるため、弁護士へ依頼することにしました。また、区分所有マンションについては、相続人が不在の状況になるため、管理組合が相続財産管理人選任の申立をしたうえで、競売にかけられると思われます。

結果
対応完了までにかかった期間:4ヶ⽉
ご依頼者様にかかった費⽤:5.5万円+実費

残された兄弟から委任状と戸籍謄本を送っていただき、その他は全て幣事務所で手続を代理して相続放棄が家庭裁判所で受理されました。

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