コラム

遺産分割協議に未成年がいる時の対応とは?特別代理人を中心に解説

2021.07.06

遺産分割協議に未成年がいる時の対応とは?特別代理人を中心に解説

遺産分割協議に未成年がいる時の対応とは?特別代理人を中心に解説

こんにちは。船橋・習志野台法律事務所です。

様々な理由により、遺産の相続人に未成年者が含まれることがあります。相続人に未成年者がいる場合手続きが複雑になりますが、特に遺産分割協議には注意が必要でしょう。

そこで今回は、相続人に未成年者がいる際の遺産分割協議について、特別代理人を中心に紹介していきます。特別代理人になれる人や特別代理人の選任手続きなどを詳しく解説するので、是非参考にして下さい。

未成年の相続人がいる場合は特別代理人を定める

未成年の相続人がいる場合は特別代理人を定める

相続人が2人以上になる場合は遺産分割協議をしますが、相続人の中に未成年者がいる場合は注意が必要です。遺産分割協議は法律行為であり、法律行為ができない未成年者は参加することができません。しかし、未成年でも相続の権利はあるのです。

そこで未成年者が適切な相続を受けるために、代理として遺産分割協議に参加する人がいます。この人を特別代理人と呼び、後に詳しく解説する適切な手続きを経た選任が必要となります。

親権者がNGな場合も!特別代理人になれる人

親権者がNGな場合も!特別代理人になれる人

未成年者が法律に関する契約などを行う場合は、親権者が代理人になるのが一般的です。しかし遺産分割協議では、親権者が代理人になれない場合が多くなっています。

なぜ親権者が未成年者の特別代理人になれないの?

遺産分割協議においては、未成年者とその親権者はどちらも相続人の可能性が高いです。

例えば未成年の子どもの父親が亡くなった場合、未成年の子どももその母親も相続人になります。このケースでは親権者である母親が、未成年の子どもの代理人になることは不可能です。

もし同じ相続人である親権者が子どもの代理人になれたとすれば、親権者の都合で遺産を分割することができてしまいます。最悪の場合、未成年者が遺産を受け取れなくなる可能性もあるでしょう。

こういった利益相反になるのを防ぐため、未成年者と親権者が同じ相続人の時は、親権者が未成年者の代理人になれないことになっています。

親権者が代理人になれるケースとは?

ただし、親権者が未成年者の代理人になれるケースもあります。

例えば父親がすでに亡くなっていて、その後父方の祖父が亡くなった場合です。未成年者は父方の祖父の孫にあたるため相続人になりますが、未成年者の母親は相続人ではありません。このケースでは利益相反とならないので、親権者が代理人になることができるわけです。

親権者以外で特別代理人になれる人とは?

特別代理人になるのに資格などは必要ありません。基本的に相続人でない成人ならば誰でもなることができます。だからといって、知人や友人などに頼むのは問題があるでしょう。遺産や相続のことが知られてしまうリスクがあり危険です。親族に頼むのが適切で、一般的に未成年者の祖父や祖母にあたる人を特別代理人にするケースが多くなっています。

また、特別代理人を定める時に注意しておきたいのは、1人で複数人の代理人にはなれない点です。未成年者の子どもが複数いる場合、それぞれに代理人を選任しなければいけません。親族に適任者がいない場合や親族だけでは代理人が足りない場合などは、弁護士や司法書士といった専門家を特別代理人にすると良いでしょう。

特別代理人の選任手続きの流れ

特別代理人の選任は、家庭裁判所に申し立てをする必要があります。ここでその手順を確認しておきましょう。

必要な書類を準備する

申し立てには以下の書類が必要です。

  • 特別代理人選任申立書
  • 未成年者と親権者の戸籍謄本
  • 特別代理人の住民票
  • 遺産分割協議書案

申し立ては親権者もしくは未成年者以外の相続人ができますが、相続人が申し立てる場合は利害関係が分かる書類も必要になります。遺産分割協議書の内容は、未成年者に不利にならないようにして下さい。不利な内容であると、遺産分割協議書の内容は認められず、特別代理人を立てることもできません。

相続に関する手続きを滞りなく進めるためにも、最低でも法定相続分は未成年者に相続させるような内容にしておきましょう。また、不動産が相続財産に含まれている際は注意が必要です。名義変更をする場合、適切な理由がないと裁判所が未成年者に不利だと判断する可能性もあります。遺産分割協議書に適切な理由を記載した方が、手続きはスムーズになるでしょう。

必要な費用を準備する

申し立てには、未成年者1人あたり800円の収入印紙が必要です。

家庭裁判所が指定する連絡用の郵便切手も用意して下さい。戸籍謄本や住民票の取得に手数料がかかることも忘れないようにしましょう。また、書類作成を司法書士などに依頼する場合はその費用も必要です。

必要書類をまとめて家庭裁判所に提出する

未成年者の住所地を管轄している家庭裁判所に書類を提出します。

すでに触れましたが、申し立てするのは親権者もしくは未成年者以外の相続人です。家庭裁判所は遺産分割協議書案の内容を確認し、特別代理人候補者が適任であるかどうか判断します。適任ではないと判断され、他の親族や専門家が選任される場合もあることは覚えておきましょう。

未成年がいる遺産分割協議をスムーズに行おう

未成年者は遺産分割協議に参加できませんが、特別代理人を選任すれば問題なく遺産を相続できるでしょう。しかし特別代理人には親権者がなれないケースもあり、候補者を選ぶ際は注意が必要です。

また遺産分割協議書案の内容も、未成年者が不利にならないようにしなければいけません。特別代理人の選任申し立て手続きは複雑な面もありますが、この記事を参考にしてスムーズに進められるようにして下さい。

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