コラム

相続手続きで行政書士ができること・できないこと

2021.02.08

相続手続きで行政書士ができること・できないこと

相続手続きで行政書士ができること・できないこと

国家資格でもある行政書士。相続については弁護士や司法書士だけでなく、行政書士にも相談することも可能です。

しかし、相談できる範囲は限られているので、相談前に行政書士の業務範囲を確認しておく必要があります。

今回は行政書士が相続手続きで携われる範囲相談する際の注意点をご紹介します。

そもそも行政書士とは?

そもそも行政書士とは?

行政書士の主な業務は2つあります。

  • 書類作成代行
  • 上記書類を依頼主に代理で提出する

書類作成代行は「官公署に提出する書類(会社設立など)」「事実証明に関する書類(内容証明郵便など)」「権利業務に関する書類(遺言書や示談書など)」が挙げられます。

行政書士とは漢字からもわかる通り、行政へ提出する書類作成業務を主に行っています。

例えば、飲食店などを開業する場合は以下の書類を保健所に提出する必要があります。

  • 飲食店営業許可申請書
  • 営業設備の概要・配置図
  • 内装の配置の平面図
  • 場所の見取り図・登記事項証明書(法人のみ)
  • 水質検査成績書(貯水槽や井戸水を利用する場合)
  • 食品衛生責任者の資格を証明する書類

その他にも保健所と事前打ち合わせや立ち合いをしなくてはなりません。開店準備を行いながらこれらの書類を作成するのはなかなか大変なことですよね。

しかし、行政書士に頼めばこのような書類作成や手続きなどを代理で行ってくれます。

行政書士が相続手続きでできること・できないこと

行政書士ができる相続手続き

行政書士ができること

それでは相続に関する分野だと、行政書士はどこまで対応できるのか確認してみましょう。対応できる業務は以下です。

  • 遺言書の作成
  • 遺言執行者への就任
  • 遺産分割協議書作成
  • 相続人、相続財産の調査
  • 相続関係図の作成

遺産分割協議書とは?

「誰がどの財産をどれだけ相続するか」相続人全員で話し合って決めた内容が記された書面のこと

行政書士は遺言書や遺産分割協議書の書類作成を行うことができます。

また、相続人や相続財産の調査も対応してくれるので、相続人が複雑な場合は頼りになる存在です。

行政書士ができないこと

続いては、相続に関する分野で行政書士ができないことについて見ていきましょう。対応すると法律違反となってしまいます。

行政書士が対応できない業務には以下のことが挙げられます。

  • 法律が関与する部分のサポート
  • 他の相続人との交渉
  • 相続放棄の手続き
  • 不動産の相続登記
  • 遺言書の検認手続き

法律相談や他の相続人との交渉は弁護士のみ対応可能です。

また、相続放棄の手続きや遺言書の検認手続きは弁護士と司法書士が対応できる業務です。相続登記は法律上弁護士も対応可能ですが、あまり行っている人がいないため司法書士に依頼することが一般的です。

次章で、以上のことを踏まえて、行政書士に相続手続きを依頼する際の注意点について詳しく見ていきましょう。

行政書士に相談する前の注意点

行政書士に相談する前の注意点

頼めるのは書類の作成代行や調査まで

例えば、相続財産の調査をしてもらったところ、被相続人に借金などのマイナスの財産が多かった場合。このような場合、相続人には相続の権利を放棄する「相続放棄」をすることが可能です。そうすることで相続人は借金を背負わなくてもよくなります。

しかし、相続放棄の相談は行政書士では対応ができません

行政書士に相続財産の調査を依頼してマイナスの財産が多かった場合、相続放棄の相談は弁護士または司法書士(ただし限定承認をしたい場合を除く)に相談する必要があります。また、弁護士であれば相続財産調査から頼めるため、マイナスの財産があったとしてもそのまま相続放棄の相談ができ、二度手間になる心配もありません。

このように相続財産が不透明なケース等、行政書士の業務範囲を超える可能性がある場合は注意が必要です。

トラブル予防をしたいなら弁護士へ相談

相続問題といえば、相続人同士のトラブルが心配ですよね。例えば、遺言書を作成する場合、なるべく相続人同士がトラブルにならないような内容にしたいと思う人もいるでしょう。

行政書士は遺言書の作成は可能ですが、トラブルを見越した内容にしたい場合は不向きですこのような場合は日ごろから法的トラブルを専門としている弁護士へ相談するのがベストです。

弁護士であれば遺言書作成だけでなく、遺産分割協議においてもトラブル回避のためのアドバイスをもらえます。

また、いざトラブルに発展してしまった場合、行政書士には代理権がないため裁判所に申請したり、依頼者の代わりに交渉したりすることができません。しかし、弁護士であればそのまま引き継いで対応してもらうことが可能です。

相続人同士のトラブルが発生しそう、心配という人は行政書士ではなく弁護士に相談する方が後々安心です。

まとめ

行政書士が相続手続きでできる範囲と注意点をまとめました。

行政書士は書類作成のプロです。相続についてであれば遺言書や遺産分割協議書の作成の代行などをメインに相談することが可能です。

しかし、できることは限られているので注意が必要です。

  • 相続放棄など行政書士の業務範囲が超える場合
  • トラブル予防をしたい場合

このような場合は行政書士では対応ができません。

特にトラブル予防については士業の中でも弁護士にしか対応ができないため、相談内容を把握した上で誰に相談するのが一番良いかを考えましょう。

行政書士の業務範囲はすべて弁護士でも対応できる範囲です。トラブル予防も含めて相談したい方はぜひ我々弁護士にお気軽にご相談ください。

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