コラム

相続放棄申述受理証明書とは?利害関係人の申請方法を解説

2023.08.15

相続放棄申述受理証明書とは?利害関係人の申請方法を解説

相続放棄申述受理証明書とは?利害関係人の申請方法を解説

相続放棄をしても、その事実を被相続人の借入先などが認識しておらず、借入金の返済を求められるケースも考えられます。そのようなときに活用できるのが、相続放棄申述受理証明書です。

ここでは、相続放棄申述受理証明書と、似た書類である相続放棄申述受理通知書の違いについて説明します。また、利害関係人による相続放棄申述受理証明書の申請方法や費用を解説します。

相続放棄したことの証明になる「相続放棄申述受理証明書」

相続放棄したことの証明になる「相続放棄申述受理証明書」

相続放棄に関係した書類は、相続放棄申述受理証明書と相続放棄申述受理通知書の2種類です。両者の違いや特徴について説明していきましょう。

相続放棄申述受理証明書とは

相続放棄申述受理証明書は、裁判所で相続放棄が受理されたことを示す書類で、相続放棄した事実を証明できます。

相続放棄申述受理証明書は、相続放棄の手続きを行った本人以外の取得も可能です。また、必要に応じて交付申請することで、何度でも相続放棄申述受理証明書を取得できます。

相続放棄申述受理通知書とは

相続放棄申述受理通知書は、裁判所が相続放棄の手続きを行った人(申述人)に対して、相続放棄を受理したことを通知する書類です。

相続放棄申述受理通知書は裁判所で手続きが完了した後に自動的に送られてきます。申述人に対して一度だけ発行される書類で、再発行はされません。

そのため、通知書をなくしてしまったり、相続放棄を証明する書類を関係先に提出しなければならない場合は、相続放棄申述受理証明書を申請して取り寄せる必要があるでしょう。

利害関係人でも相続放棄申述受理証明書を申請できる

利害関係人でも相続放棄申述受理証明書を申請できる

相続放棄申述受理証明書は一定の利害関係人であれば申請して取得できます。ここでは、相続放棄申述受理証明書を申請して受け取れる利害関係人の例を取り上げます。

加えて、相続放棄申述受理証明書が必要になるケースも見てみましょう。

申請できる代表的な利害関係者

相続放棄申述受理証明書を申請できる利害関係人は、2種類に分けられます。

被相続人の債権者

亡くなった人(被相続人)の債権を保有している人は、債権を回収する権利を持つため、利害関係人にあたります。

亡くなった人に財産がある場合、財産の権利義務を引き継いだ相続人から債権の回収ができる可能性があるため、相続人を特定するために相続放棄申述受理証明書を申請することが考えられます。

相続放棄していない他の相続人

相続放棄をする人が出てくると、相続順位が繰り上がったり、本来は相続人ではなかった人が被相続人の債権債務を引き継ぐ可能性が生じます。

相続は関係者全員が連絡を取り合って手続きをするのが本来の姿ですが、何らかの事情でそれが難しい場合は、相続放棄していない他の相続人が事実関係を知るために、利害関係人として相続放棄申述受理証明書を申請する必要があるでしょう。

利害関係人が相続放棄申述受理証書を申請する主なケース

ここでは、利害関係人が相続放棄申述受理証明書を申請するケースを2つご紹介します。

相続登記をする場合

不動産の相続登記の場面では、相続人の中に相続放棄した人がいると、相続放棄申述受理証明書が求められるケースがあります。

現在は、相続放棄申述受理証明書がなくても、相続放棄申述受理通知書があれば相続登記できることも多いようです。

申述人(相続放棄をした人)から相続放棄申述受理証明書を渡してもらえない場合

相続放棄した申述人が非協力的あるいは絶縁関係にあるなどして連絡が取れず、相続の手続きに必要な相続放棄申述受理証明書がもらえない場合は、利害関係人自ら申請する必要があります。

利害関係人が相続放棄申述受理証明書を申請する手順と費用

利害関係人が相続放棄申述受理証明書を申請する手順と費用

相続放棄申述受理証明書は、郵送と窓口どちらでも手続きが可能です。ここでは、相続放棄申述受理証明書の申請に必要な書類や費用、申請時の注意点を記載します。

相続放棄申述受理証明書申請に必要な書類

利害関係人が申請する場合は、相続放棄申述受理証明申請書に必要事項を記入するとともに、申請者の身分証明書や利害関係を証明できる資料が必要です。

申請者の身分証明書には運転免許証やパスポートなどを利用でき、申請者が法人の場合は資格証明書を提出します。

利害関係を証明する資料には、被相続人の死亡の記載があり申請者との関係を明らかにできる戸籍謄本や、債権者であることを記した書類などが挙げられます。郵送申請では返送用の封筒と郵便切手も必要です。

相続放棄申述受理証明書申請に必要な費用

相続放棄申述受理証明書の申請費用は、1通につき収入印紙150円です。郵送で申請する際の返信用の切手は、4通までが84円、5通以上は94円必要です。

相続放棄申述受理証明書申請の際の注意点

申請時に提出する相続放棄申述受理証明申請書には、申請人の名前の下に「事件番号」を書く必要があります。

事件番号とは、相続放棄を申し立てた際に、裁判所が案件管理のためにつけた番号のことで、相続放棄の申請をした本人に送付される相続放棄申述受理通知書に記載されています。

相続放棄した本人から事件番号を教えてもらえない場合は、家庭裁判所で「相続放棄申述の有無照会」を行うと、事件番号や受理年月日がわかります。

なお、郵送で相続放棄申述受理証明書を申請する場合は、受け取りまで10日ほどかかります。申請期限が迫っているなど、日数に余裕がない場合は窓口で申請するとよいかもしれません。裁判所で直接手続きした場合でも即日発行はされないため、注意が必要です。

複雑になりやすいため専門家に相談するのがおすすめ

相続放棄申述受理証明書は、相続放棄した事実を証明する書類です。相続放棄申述受理通知書は相続放棄を申請した人だけに送付されるのに対し、相続放棄申述受理証明書は利害関係人であれば申請して取得できます。

とはいっても、相続に関係した手続きは相続放棄申述受理証明書の取得以外に多々あることでしょう。自身で手続きや問題解決が難しい場合や紛糾しそうなケースでは特に、弁護士への相談をおすすめします。

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