コラム

遺言書があっても相続放棄できる?相続放棄の方法は?

2022.02.08

遺言書があっても相続放棄できる?相続放棄の方法は?

遺言書があっても相続放棄できる?相続放棄の方法は?

こんにちは。船橋・習志野台法律事務所です。

遺言書に自分が相続人になるように書いてあったけれども、できれば相続したくない。しかし遺言書は公的な証書なので、記載通りに相続しなければいけないのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は遺言書があっても相続を放棄する事が可能なのか、そして相続を放棄できた場合にはどのようにすればよいのかについてご紹介します。

遺言書があっても相続放棄可能

遺言書があっても相続放棄可能

遺言書があっても相続を放棄する事は可能です。何らかの理由で相続人が相続放棄したいという意思があるのなら、問題なく相続を放棄できます。

ただし注意しておきたいのが、相続放棄を行うと全ての相続権利を失ってしまうという事です。

もし遺言書に記載していた分のみの相続放棄をしたいと思っているのならば、それはできません。つまり相続放棄を行うと遺言書に記載された部分以外、いわゆる本来相続するべき部分の権利全てを放棄するという事なのです。

相続放棄は安易な気持ちで行わないようにしましょう。

一般的に相続といえば、被相続人の家や預貯金、貴金属などの財産を承継するという、プラスの印象が強いのではないでしょうか。

しかし被相続人が負債を抱えていたならば、負の遺産を承継する可能性もあります。このような時には適切に相続放棄を行えば、負の遺産を承継しなくて良くなります。

相続放棄のやり方は相続と遺贈で異なる

相続放棄のやり方は相続と遺贈で異なる

相続放棄を行う時は、遺言書に書かれている内容が相続か遺贈かによって手続き方法が異なります。その為、まず自分自身が被相続人から相続を受けるのか、それとも遺贈を受けるのかを確認しなくてはいけないのです。なお、遺贈を放棄するときは、相続放棄といわず、「遺贈の放棄」と言います。

相続と遺贈の違いは、財産を受け取る人が法定相続人か否かで決まります。

法定相続人とは、分かりやすく言えば家族や親せきです。つまり相続の対象となるのが家族や親せきで、遺贈は家族や親せき以外が対象です。

例えば生前に被相続人がお世話になった人などに、遺言書に相続についての記載があれば、それは遺贈の対象となります。

相続の場合

相続の場合に相続放棄をするならば、まず被相続人の最後の住所地を確認してください。そして最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、相続放棄に必要となる書類を提出する事で相続放棄ができます。

相続放棄に必要な書類は、

  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 相続放棄を行う人の戸籍謄本
  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本

の3点です。

相続放棄の手続きは、相続の権利を知った時から3か月以内に行わなくてはいけません。

ちなみに相続放棄の申述書の記載方法や費用などは裁判所のある地域によって異なります。最後の住所地を管轄する家庭裁判所に問い合わせると、費用の詳細などが分かります。

遺贈の場合

遺贈の場合に相続放棄をするならば、特定遺贈か包括遺贈かによって異なります。

特定遺贈と包括遺贈の違いは、対象が特定できるかどうかで判断できます。

例えば全ての遺産の内、特定の預貯金分を相続して欲しいと遺言書に記載があるならば、それは特定遺贈となります。

これに対して、遺産全体の何割分かを相続して欲しいとある場合は、包括遺贈です。つまり遺贈する対象が明確に特定しているか否かで異なるのです。

特定遺贈の放棄方法

特定遺贈の放棄方法は、相続人もしくは遺言執行者に対して放棄の意思を伝えること遺贈の放棄できます。

この際注意しておきたいのは、口頭では遺贈の放棄の意思を伝えないという事です。手紙などの書類に明記して、きちんと形に残すようにしましょう。そうすれば、将来的にトラブルが起こった場合でも回避する事ができます。

遺贈の放棄に対しては特定の期限が設けられていないので、いつでも行う事ができます。

ただし特定遺贈の権利を有する者が、その意思をいつまでも明示しない時には、相続人もしくは遺言執行者が、期限を設けて放棄をするか否かの催告をする事ができます。この時には決められた期限内に権利を行使するのか、もしくは放棄をするのかを表明しなくてはいけません。

もし期限内に意思を表明しなければ、特定遺贈を受け取ると判断されます。

包括遺贈の放棄方法

包括遺贈の放棄方法は、裁判所での申述が必要となります。なぜなら、包括受遺者は、民法の規定で、法定相続人と同一の権利義務を負うことなり、亡くなった人の借金も引き継ぐことになるからです。

申述の期限は、自分自身に相続の権利があると知った時から3か月以内です。そして期限内に、被相続人の最後の住所地を管轄している裁判所に申述書を提出してください。

この時必要となる書類は、

  • 遺言者の戸籍謄本もしくは除籍謄本
  • 遺言者の住民票の除票
  • 遺言書の写し
  • 包括遺贈の相続放棄をする人の住民票

の4点です。

【まとめ】相続放棄は適切に

相続放棄は適切に行うようにしましょう。自分がどのような相続の対象であるかによって、相続放棄の方法が異なります。そして相続放棄の方法によっては、期限を設けてあります。

期限を超えてしまうと相続放棄をする事ができません。特に負の遺産などがある場合、早目に自分が被相続人に対してどのような立場であるかを確認しておきましょう。

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