コラム
不動産相続は要注意!もめる原因や相続方法・対処法などを紹介
2022.04.20
不動産相続は要注意!もめる原因や相続方法・対処法などを紹介
こんにちは。船橋・習志野台法律事務所です。
仲の良かった家族間でも、もめ事に発展しやすいのが相続です。そして遺産の中でも特にもめることが多いのが不動産です。
不動産は複数人での相続が容易でなく、また相続人それぞれの意見が分かれやすいこともあり、なかなか協議が進まないケースも多々あります。
本記事では不動産の相続でもめる原因や主な相続方法、もめないためにできることなどを紹介します。
目次
不動産相続がもめる原因
不動産相続がもめやすいと言われるのはそもそもなぜなのでしょうか。まずは不動産相続でもめる原因を見ていきましょう。
不動産を売りたい人と売りたくない人がいる
不動産は相続した後そのままの形で残しておくことも、売却して金銭に変えることもできます。
しかし、どのような形にしたいかは人それぞれです。相続する不動産について相続人全員の希望が合致していれば問題ありませんが、売りたい人とそのまま残しておきたい人に分かれてしまうと、もめ事に発展し相続の協議がまとまらなくなります。
均等に分割することができず話し合いがまとまらない
不動産は預金などと異なり、物理的に分けてそれぞれの相続人に分配できるものではありません。不動産を区画ごとにそれぞれの名義で相続したり、共同名義で相続したり、いくつか方法はありますが、均等に分割することは難しい財産なのです。
そのため、なかなか相続人同士での折り合いがつかず、もめ事になるケースがよく見られます。
不動産の価値の変動で相続人が不満を持つ
不動産の価値は変動します。例えば相続が発生する前は100万円だった土地が、相続する頃に1,000万円まで価値が上がっていたなどということもあり得ます。
この場合、相続の前に誰がどの財産を相続するか大体決めていたとしても、ほかの相続人から不公平だと不満の声が挙がる可能性も。反対に価値が前より下がっていたら、その不動産の相続人が不満を訴えるかもしれません。
また、相続が完了した後に誰かが相続した不動産の価値が高騰し、ほかの相続人が不満を持つなどのケースもあります。
不動産の相続方法
不動産にはさまざまな相続方法があることは前の段落で少し触れました。ここでは、その相続方法についてより具体的に紹介します。
そのままの状態で相続する
まず代表的な相続方法の1つが、相続人の中で誰か1人がそのままの状態で相続するというものです。
遺産は必ず相続人で等分に分けなければならないわけでもありません。ほかの相続人が納得するなら、誰か1人が代表して相続するような形でも良いのです。不動産登記の名義を被相続人から相続人に変更すればほぼ手続きは完了するので、相続方法としては最もシンプルと言えます。
ただし、ほかの相続人が当該不動産の相続をほかの相続人に円満に譲る流れにならない場合もあります。特に、実家など相続人全員に思い入れのある不動産であればなおさら難しいでしょう。
売却し、現金にしてから相続する
相続の前に不動産を売却し、現金化してから相続するという方法もあります。この方法であれば、相続人全員に均等に現金を分配することが可能です。
ただし、前の段落でも述べたように、売却を望む人と売却を望まない人で相続人たちの意見が分かれた場合、もめてなかなか相続が進まないというトラブルが考えられます。
代償金を支払い、相続人1人が相続をする
相続人のうち1人が不動産をそのまま相続し、ほかの相続人には不動産を相続した人から代償金を支払うという方法もあります。
例えば1500万円の価値を持つ土地に関し、A・B・Cという3人の相続人がいたとします。単純に考えれば、1人あたり500万円分の土地を相続する権利があります。
そこでA1人がその土地を相続し、B・CにはAが500万円ずつ払う、これが代償金による相続方法です。不動産を売る・売らないで相続人の意見が割れた場合でも、この方法なら皆の希望を叶えられるでしょう。
ただし、相続した人は代償金を自分の持ち金から支払わなければならないため、現金・預金が減るというデメリットもあります。
共有名義で相続する
不動産を複数の相続人の共有名義で相続するのも1つの方法です。全員がその不動産の所有者になれるため、最も公平な方法とも言えます。
ただし、共有名義にすると所有者の許可が必要な事柄が発生した場合、名義人全員の許可をとらなければならないため、手続きが煩雑になりやすいというデメリットもあります。
不動産相続でもめないためにできること
最後に、不動産の相続でもめたり、相続人同士の関係が悪化したりしないよう、あらかじめできることを紹介します。
早めに弁護士へ相談する
弁護士は法律のプロであり、相続関係の手続きやトラブル対応も数多く経験しています。本格的にもめる前に、早めに弁護士に相談するのも良いでしょう。
当事者以外が中に入ることで、相続人たちが冷静になり、協議がスムーズに進む可能性もあります。
生前に土地を換金しておく
相続人同士の話し合いになると、どうしてももめやすくなります。そのため、被相続人の存命中に不動産をあらかじめ換金してしまうというのももめ事の対処方法です。
生前であれば、もちろん財産をどのような形にしようと被相続人の自由。お金にしておけば相続人で均等に分けるだけなので争いの種は減るでしょう。
【まとめ】相続方法やもめないための対処法を理解し円満に不動産を相続できる道を探ろう
遺された不動産を巡り相続人同士がもめることは、被相続人も望んでいないはずです。もめ事を回避するためには、あらかじめ根回しや対処をしておくことも大切。
また、相続人全員の意見をしっかりすり合わせ、最も望ましい相続方法を選ぶことも必要です。ぜひこの記事を参考に、皆が納得し円満に不動産を相続できる道を考えてみてください。