コラム

遺産分割協議はやり直しが可能?条件と注意点は要確認

2021.12.10

遺産分割協議はやり直しが可能?条件と注意点は要確認

遺産分割協議はやり直しが可能?条件と注意点は要確認

こんにちは。船橋・習志野台法律事務所です。

相続で遺産分割協議を行ったものの、さまざまな事情から協議自体やり直したいというケースは意外と多く見られます。しかし、一度取り決めたものをやり直せるのか、仮にやり直せたとしても何か問題が発生しないのかは気になるところでしょう。

そこでこちらの記事では、遺産分割をやり直せる場合の条件や注意点についてみていきます。

遺産分割協議は条件を満たせばやり直しは可能

遺産分割協議は条件を満たせばやり直しは可能

遺産分割協議は、相続人全員が遺産の分割方法について話し合い、納得した時に成立するものです。そのため、一度成立した内容は法的に認められたものとして不動産等の名義変更の原因にもなりますし、疎明資料として遺産分割協議書は実印と印鑑証明が必要な厳格なものです。

従って、原則としては遺産分割協議のやり直しはできません。しかし、条件を満たしている場合に限ってはやり直しをすることはできますし、面倒ではありますが名義を変更する手続きも可能です。ただし、法的には問題があまりないとしても税務上は負担が発生することもありますので、最初に協議をするときに、できる限りやり直さずに済むように注意したほうが良いでしょう。

遺産分割協議は、相続人全員で任意の話し合いをして分割案がまとまれば、手続きはそれほど面倒でもありませんし、やり直しもしやすいです。一方、話し合いが紛糾して裁判所の調停などで遺産分割方法が決定している場合は、法的に無効となるケースを除き、やり直しはほぼ不可能と言えるでしょう。

遺産分割協議をやり直す条件

遺産分割協議をやり直す条件

遺産分割協議をやり直すには、以下のいずれかの条件が必要です。なお、何年も経過してから遺産分割協議のやり直しをすることも可能ですが、既に相続した遺産を売却しているなど、遺産がそのままの状態で残っていないケースもありますので、通常は現金でのやり取りになります。

相続人全員の同意と参加

遺産分割協議は、相続人全員の同意があれば、その内容の全部または一部を解除して改めて協議することが可能です。つまり、協議をやり直すときには相続人全員が話し合いに参加して、かつ訂正した協議内容に同意しなければなりません。事前に相続人に口頭で内容を伝えて同意を得るなど、根回しをしておいた方がスムーズに進められるでしょう。

協議内容等に遺漏があった

遺産分割協議が成立した後で

  • 新たな遺産が見つかった
  • 新たに相続人が現れた
  • 遺言書が見つかった

など、話し合いの前提が変わってしまうような事情があれば、遺産分割協議のやり直しが必要になります。

遺言書が見つかった場合に関しては、原則遺言書の通りに相続をしますが、相続人全員が同意した場合は遺言書でなく遺産分割協議の内容に従って相続をすることも可能です。

詐欺や脅迫があった

珍しいケースですが、実印を盗まれて勝手に遺産分割協議書が作成されたり、意に沿わない内容の遺産分割に同意するよう脅迫されたりした場合は、本来の条件である相続人全員の同意が得られていないことになるため、成立した遺産分割協議が取り消されることもあります。

そのため、新たに違法行為のない状況で遺産分割協議をやり直す必要があります。

遺産分割協議をやり直す時の注意点

遺産分割協議をやり直す時の注意点

遺産分割協議をやり直す場合には、税金関係で問題が発生する可能性があります。

遺産分割協議自体が無効、あるいは取り消しとなった場合は、その遺産分割の協議自体がなかったことになるので税金の問題ほとんどありません。最終的に相続した遺産に応じて相続税を申告納付しましょう。

相続人全員が同意してやり直した場合には、以下の税金について注意が必要です。

贈与税

相続の場合は相続税が発生しますが、遺産分割協議をやり直した場合は相続した人から協議のやり直しで新たに受け取った人への贈与とみなされることがあります。

この場合は新たに贈与税が発生しますが、相続税よりも税率が高くなりますので、金額が大きいときには専門家に相談しながら進めた方が良いでしょう。

不動産取得税

不動産を相続した場合は不動産取得税が発生しませんが、売買や贈与の扱いになったときは不動産取得税を納付しなければなりません。

遺産分割協議のやり直しで不動産の名義変更をした場合は、相続ではなく贈与や譲渡の扱いになるため、翌年度に不動産取得税が発生すると考えておきましょう。

また、不動産の場合は名義変更の際に登録免許税や司法書士に払う登記費用が必要になります。現金や預貯金とは異なり、やり直しをする際に相続以上に費用が発生することを認識しておいた方が良いでしょう。

【まとめ】弁護士などの専門家への相談がおすすめ

このように遺産分割協議をやり直すことはできますが、条件があり、税金関係に注意しなければならないので、手続きをする前に弁護士等の専門家に相談することをおすすめします。

アドバイスをもらうこともできますし、書類作成や手続きを委任することもできるため、忙しい人でも安心です。相続人全員を巻き込むことになりますので、やり直すにしても後々問題が発生しないようにきちんと準備しておきましょう。

初回相談1時間無料/オンライン相談可能
  1. 相続問題
  2. 相続放棄
  3. 遺言書作成
  4. 遺産整理
相続に関するお問い合わせ・相談予約は
24時間受け付けております
お問い合わせフォームはこちら
船橋習志野台法律事務所|初回60分無料 土日祝日・夜間20:30まで ご相談のお問い合わせはこちら