コラム

10年前に亡くなったのになぜ?何十年も前に亡くなった人の相続放棄が起こるケース

2021.06.07

10年前に亡くなったのになぜ?何十年も前に亡くなった人の相続放棄が起こるケース

10年前に亡くなったのになぜ?何十年も前に亡くなった人の相続放棄が起こるケース

こんにちは。船橋習志野台法律事務所の弁護士の中村亮です。今回は遠縁の相続放棄についてのお話です。

相続放棄というと、よくあるのは、両親の借金を回避するためや、甥姪の相続放棄により、兄弟姉妹の借金が降りかかるケースなど、比較的近い親族が亡くなった場合が多いです。

ただ、稀に会ったこともない何十年前に亡くなった遠縁の相続放棄が必要な場合も出てきます。なぜ、大昔に亡くなった人の相続放棄が必要になるのでしょうか?

不動産関係の債務が典型例

不動産関係の債務が典型例

通常、借金は長期間経過により時効で消滅してしまい、借金を引き継ぐ場面にならないので、大昔に亡くなった人の相続放棄に迫られることはありません。しかし、不動産に関連して借金(支払い義務)が発生する場合には、支払い義務が消滅しないまま、相続が発生することがあります。

固定資産税

その典型例が固定資産税です。土地の所有者が亡くなったまま名義変更をしないまま、土地を管理している親族が長年に渡って固定資産税を払い続けていたが、その管理者も亡くなってしまい誰も土地の管理者がいなくなってしまうケースがあります。そうすると、固定資産税を徴収するために市役所はその土地の名義人の相続人を調査して、固定資産税の支払いを請求する通知書を送ってきます。

そのため、長年に渡り土地の名義を亡くなった人のままにしておくと、このように、実際に管理をして固定資産税を支払っていた人まで亡くなると、突如として、相続人に固定資産税の請求がきてしまいます。この場合、何十年も経過していると孫やひ孫の代にまで請求が行くことになります。

地代

固定資産税に似たパターンが地代があります。土地を借りてその敷地の上に建物を建て住む場合は敷地の地代を土地所有者に支払う必要があります。建物を建てた本人が死亡しても建物の名義変更をしないまま、同居していた親族が居住して地代を支払い続けることがあります。そして、同居していた親族も亡くなると、突如、地主から、建物の名義人の相続人に地代の請求が来ることがあります。

この場合、名義人が亡くなり名義人と同居していた子も亡くなると、名義人の兄弟姉妹やその子らが相続人となって、あまり縁のなかった人のため、地代の請求が来てしまうことになります。

不動産の相続登記は速やかに実施しましょう

不動産の相続登記は速やかに実施しましょう

このように、亡くなった人の不動産の名義を亡くなった人のままにしておくと、その関係の支払い請求が相続人に来てしまうことがあります。長い年月が経っていると、二次相続、三次相続により孫、ひ孫と請求される人数も増えてしまいます。

相続登記により名義変更をしておけば、二次相続、三次相続の発生を防ぐことができ、相続人は肉親に限られることが多くなります。近しい人であれば、不動産管理に伴い、固定資産税や地代の支払いなどの対応もしやすいでしょう。

【まとめ】大昔に亡くなった場合でも慌てずに相続放棄を

亡くなられた方が何年前であっても何十年まえであっても、相続放棄は可能です。相続放棄の期間制限の3か月は、①亡くなった時点から開始する場合と②亡くなったことを知った時点から開始する場合の2パターンがあります。②のパターンであれば、大昔に亡くなったとしても相続放棄が可能です。

重要なのは②のパターンに持ち込むために、「亡くなったのを知った時点」を明らかにする書類を保管しておくことです。上記の固定資産税や地代の例であれば、市役所や地主からの請求書に、日付が記載してあることが多いので、その請求書を保管しておきましょう。

亡くなってから大分時間が経過をしていると、戸籍の収集に時間を要することがあります。裁判所への書類提出などの手続きに慣れていない方は早目に弁護士へ相談した方がよいでしょう。

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