コラム

遺言書作成を自分で行う!遺言書を無効にしないためのルールとポイント

2021.03.10

遺言書作成を自分で行う!遺言書を無効にしないためのルールとポイント

遺言書作成を自分で行う!遺言書を無効にしないためのルールとポイント

遺言書の種類は全部で3つあります。

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言

もし、ご自身ですべて遺言書の準備をするのであれば「自筆証書遺言」で遺言書を書く必要があります。しかし、この自筆証書遺言にはいくつかのルールがあり、それらのルールを守らないと遺言書としての効力がなくなる場合もあるので注意が必要です。

今回はご自身で遺言書作成をする際に知っておいてほしいルールとポイントをご紹介します。

自筆証書遺言書作成時に誤ってはいけないルール

自筆証書遺言書作成時に誤ってはいけないルール

自筆証書遺言書は被相続人が自筆で作成する遺言書です。証人がいらないため、遺言書を書く本人だけで作成が可能です。

しかしながら、遺言書に自由に記載をして法的効力が生まれるかというとそうではありません。

ここでは自筆証書遺言書作成時に守らなくてはいけないルールをあげていきます。

手書き&消えないペンで書く

自筆証書遺言は遺言者の直筆で書くことが基本です。遺言書をパソコンで作成したり、コピーしたものを利用したりすると無効になります。

ただし、2019年に相続法が改正され、財産(遺産)目録については手書きにしなくてもよいことになりました。(最後に自筆署名と押印は必要です)

財産目録とは?

遺言者の財産を一覧にした表のことで、財産が多数ある場合に使われることが多いです。例えば遺言書に「別紙財産目録2記載の財産をAに相続させる。」等と記載することで簡略的に書くことができます。

手書きとなると誤った時が心配ですよね。遺言書の訂正は民法にて定められた方法であれば訂正可能です。

民法968条2項
自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

民法968条2項より引用

上記の内容を漏れなく守ることで訂正は可能ですが、ひとつでも漏れてしまうと遺言書が無効になる可能性があります。遺言書の訂正は可能ですが無効になるリスクもあるため、間違えた際は書き直しをした方が安心です。

また、改ざんの恐れのある鉛筆やフリクションなどの消せるボールペンで書くことはNGです。ボールペン等の消えない筆記具で書きましょう。

明確な日付をいれる

日付は「2021年2月5日」など年月日までしっかり書き、いつ書いた遺言書なのかはっきりわかるようにします。もちろん日付についても直筆です。スタンプなどで記してはいけません。

日付を書く場所は末尾の署名前に書くことが多いです。

戸籍記載の名前を書く

遺言書に直筆署名の記入は必須です。本名フルネームで書きましょう。

もし、財産目録を手書き以外で作成している場合はそちらにも署名&押印が必要です。

印鑑を押す

印鑑がない遺言書は無効になるので忘れずに押印しましょう。印鑑の種類は特に決まりはありませんが、実印が望ましいです。

押印する箇所は遺言書本文が書かれている書面に押印します。名前同様、財産目録を手書き以外で作成している場合は財産目録にも忘れずに署名&押印をしましょう。

遺言書を自分で作成する時におさえておくべきポイント

遺言書を自分で作成する時におさえておくべきポイント

ここではご自身で遺言書を用意する際におさえておいて欲しいポイントをまとめました。

相続の内容は明確に書く

遺言書を書く目的は「どの財産を誰にどれだけ相続させるか」を記すことです。

・どの財産

預貯金であれば金融機関・支店名・預金の種類・口座番号までしっかりと書きます。土地であれば所在地まで、不動産であれば登記簿謄本通りに書きます。

・誰に

本名フルネームと続柄、生年月日の記載までしておくと安心です。

・どれだけ

記載財産をすべてなのか、一部なのかわかるように書きます。

このように相続の内容は明確に書きましょう。

遺留分についても考える

相続は遺留分(相続人が取得できる最低限の取り分)を考えた上で決めると良いです。

例えば、あなたが生前献身的に看病してくれたAさんに全財産を相続させると書いたとしましょう。もし、あなたに妻と子供がいて、彼らが遺留分を請求してきた際には、Aさんに全財産相続はできず、妻と子供にも分割することになります。

さらに、この遺言書の内容を妻と子供が事前に知らなかったらどうでしょうか?Aさんと妻・子供の関係が悪化する可能性も考えられますよね。

相続の結果が同じになるのであれば、もめる可能性が少ない方が家族の未来のためでもあります。

このように、もめる原因を作らないためにも、遺産相続は遺留分を考慮して分割するとよいです。

保管場所は紛失の恐れがないところに

作成後の保管場所も重要になってきます。作成した遺言書は替えがきかないため、紛失・焼失しないかつ破棄されない場所が良いです。しかし、あまりにも見つかりづらい場所に保管していますと、相続のタイミングで発見されない可能性もあるので注意が必要です。

そこでおすすめしたいのが法務局で遺言書を保管する方法です。2020年7月10日より法務局自筆証書遺言書を法務局で保管する制度が創設されました。この制度を利用するメリットは多くあります。

  • 遺言書の紛失・隠ぺいを防止できる
  • 遺言者死亡後、相続人に通知がいく
  • 家庭裁判での検認が不要

特に家庭裁判の検認がなくなることはこの制度の大きな特徴の1つです。もし、自宅で遺言書を保管した場合は検認が必要になります。検認手続きは1ヶ月程度かかります。検認がなくなるだけでも相続手続きがスムーズになります。

まとめ

今回は遺言書作成をご自身で行いたい方に向けてルールやポイントをまとめました。

自筆証明遺言書はご自身で簡単に作成できる反面、細かいルールがあり、それらのルールを満たして作成しなくてはいけません。

ここまでの話を聞いて「難しいな」「不安だな」と思った方はまずは専門家に相談することをおすすめします。弊社でも遺言書作成のアドバイスをしてますのでお気軽にご相談ください。

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