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被相続人が海外在住の場合

質問事例
 私の父は20年ほど前にアメリカ人女性と再婚して、以来、アメリカにずっと住んでいます。海外に住んでいる人が亡くなった場合、相続についても居住していた外国の法律が適用されるのでしょうか?私をはじめ、相続人である兄弟は皆、日本に住んでいるので日本の法律を適用して遺産分割の話し合いをしたいと思っていいます。
  
解説
 相続人が全員日本に住んでいて、遺産分割協議を日本で行う場合には、協議が難航したら日本の裁判所に遺産分割の調停を申し立てることになるでしょう。もっとも、日本の裁判所を利用するからといって、常に日本の法律が適用されるわけではありません。
 法律上の紛争に海外の要素(当事者が外国籍、事件の場所が外国、当事者の一部が外国に居住など)がある場合に、どこの国の法律を適用すべきかの基準を定めたルールがあります。そのルールのことを法の適用に関する通則法といいます。
 この通則法によれば、相続に関する争いは、被相続人の国籍法が適用されることになります。そのため、質問事例でお父様が日本人のままであれば、日本の法律が適用されます。
 ただ、遺言書についてアメリカのルールにしたがって作成した場合に、日本の法律では無効となってしまうと、被相続人にとっては想定外のことであり、遺産分割において被相続人の意思を真っ向から否定することになってしまいます。そのため、日本は「遺言の方式に関する法律の抵触に関する条約」を批准して、被相続人が遺言書を作成した国の法律で遺言が有効であれば、日本の裁判所でも有効として扱うことしています。

 海外在住の日本人の相続について、厄介なのが海外にある遺産の取扱です。質問事例のように長く海外に居住していれば、遺産のほとんどが海外で形成されていることが想定されます。しかし、相続人はずっと日本に居住している場合、海外の資産を把握するのが困難です。生前に被相続人と十分に連絡を取あり合い、資産状況を把握しておくべきでしょう。資産状況を把握しないまま、被相続人が亡くなってしまえば、残された同居の親族等と連絡が取れなければ、現地の法律事務所等に依頼するしかありません。
 また、日本で遺産分割の調停をやり、調停成立や審判成立に基づいて、海外の資産に対して強制執行をすることの問題があります。まず、日本の確定裁判等が資産がある外国の裁判所に承認されなければ、執行することができません。当然、日本の裁判等の審判書を当該外国の言葉で翻訳する必要もあります。
 したがって、被相続人が海外在住の場合には、現地の法律事務所と提携したり、紹介できる日本の法律事務所へ相談するのがいいでしょう。

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